著者:福島正伸よりメッセージ
私は、就職するときに「いったい何のためにいったい社会へ出るのか」ということについて一番悩みました。働くことの意味について、「収入のため」以外の理由、動機が中々見つけられなかったのです。
逆に、人間は収入がないと生きていけないんだろうか?
自分が生まれてきたのは、給料をもらうためなのだろうか?
いろいろなことをすごく悩みました。
いくら話をしても、毎日悩んでも、結論がでませんでした。
福島正伸
担当編集者:中経出版 宮脇美智子さんよりメッセージ
私は大学3年の終わりに、院に行きたいと思いましたが、自分が院に入って、いきいきと学ぶ姿を想像することがなぜかできず、入試を受けませんでした。院の人たちは、なんだか自分と性格的に合わない感じがして、生き生きとしていられないと思ったからです。
一方で親から就職して欲しいといわれ、だとしたら、出版社に行きたいと思ったのですが、全く準備をしていなかったため、とても試験に通る気がせず、1つも出版社をうけませんでした。
結局、当時、募集が多かったので、SEになりましたが、これでいいのかなぁという疑問が、常に頭の中をよぎるようになりました。自信をもって、「SEをやっています!」と言えない自分がいました。そして、入社して数年たつと、数学や理系的発想がとても苦手なため、会社の中で役に立てず、数年働く中で、このままだととても働けなくなると思い、八方ふさがりの状態に陥りました。
上司にも、部下にも、つけあげられ、悔しくて、毎日、帰りがけの山手線で泣いていました。それでも好きな仕事であれば、このまま続けられて、この辛い経験も、いつか生きてくる、と考えられたのでしょうが、自分の才能に全く自信がもてず、今後はSEとして働くのはとても無理だと思うようになるとどんどん、後ろ向きの発想になり、腹痛を感じるようになりました。頭や顔や体に、大きな発疹が出て、腫れたりするようにもなりました。そのとき、恋愛、会社の人間関係、家族、仕事の内容、すべてのものがどんどん悪い状態になっていきました。
全てがどうにもならないと思ったとき、有給を3週間とり、実家に帰りました。そして、転職しようと思いました。そのとき、27歳になっていました。
転職としては、遅いスタートだと思いましたし、相変わらず日本は不況でしたから、自分の好きなことができるかどうか、わかりませんでしたが、自分の得意なこと、好きなことを軸に、自分の心に正直になるしか自分が生き残る道がないと、思いました。
そして、清水の舞台からとびおりる気持ちで経験もないのに、真っ正直に、何十件も応募した転職活動で、運良く出版社に内定をいただき、今現在、編集をやっています。
内定をいただいたときには、本当に天にも昇る気持ちでした。すべてのものがキラキラ光って見えました。一気に視界が広がったような気がしました。
そして、SEよりは、今の職業が自分の性にあっているようで、会社の人々にも、本当によくしていただいて少しは自分が人の役になっているのではないかと、自信をもてるようになりました。
このように、自分なりに七転八倒した何年かがあったのですが今振り返ってみますと、当時、職業が自分にとって、一番、大切だったんだと気が付きました。その一番大切なものに、一生懸命こだわって、大切にしてこなかったからその周りのものが、どんどん、おかしくなっていったんだとわかりました。
福島さんの講演をおききし、何年か前に職業で悩んでいた自分を思い出しました。職業について悩んでいる人に、少しでも、元気になってもらいたい、福島さんのお話は、そういうパワーをもらえる。そう思い、企画のご提案をさせていただきました。
本当にありがたいことに福島さんから企画についてご快諾をいただきました。そして、福島さんからの仕事についてのとっておきの25のメッセージを、1冊にまとめさせていただきました。
私ほど、仕事について遠回りをした人はいないかもしれませんが漠然と不安をもっている人、仕事ってなんだろうと思っている人、あるいは、上司、部下の関係で悩んでいる人、仕事以外で、どん詰まり状態になっている人、なにか心に残る強いものを感じたい人、感動したい人、人間って素晴らしいと実感したい人、そんな方々にぜひ、読んでいただければと思っています。
どうか、素晴らしい未来が、皆様の前にやってきますように!